【レポート】クラウドネイティブの先にある未来 「説明可能なAI」社会の実現に向けた取り組み #AWSSummit
本日より開催されています AWS Summit Tokyo 2019。こちらで開催された野村総研様によるパートナーセッション F1-05 をレポートします。
- クラウドネイティブの先にある未来 「説明可能なAI」社会の実現に向けた取り組み
スピーカー(敬称略)
- 伊藤 真二
- 株式会社野村総合研究所 福岡ソリューション開発部
- 上級アプリケーションエンジニア
クラウドネイティブでDXを加速する野村総合研究所の最新事例
・AIカメラを使ったクラウド型スマートリテールストア
・GraphQLで実現する最新サーバーレスアーキテクチャー
資料
(後日公開されましたら掲載します)
内容
- NRI = SIer
- システムの構築の際にサーバーレス・クラウドネイティブで組むことが増えてきた
- AIに対する投資が多いことに気付いた
- レスポンシブルAI(責任のあるAI)
- クラウドネイティブの先はどうなるか?
- クラウドジャーニー
- IaaSでクラウドへマイグレーションを行う
- オンプレと並行して運用(ハイブリッド
- 完全クラウド移行を目指す
- 移行したシステムを最適化(クラウドネイティブ化
- 現在は、すでにネイティブであることは当たり前
- クラウドジャーニー
- クラウドジャーニーは「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の段階
- 大規模基幹システムのクラウド化
- 既存システムや新規システムのクラウドネイティブ化
- k8s、Knative、Anthos、コンテナエコシステムの加速
- エコシステムによるDX
- クラウドAI・エッジIoTを使ったリアルプロジェクトの実現
- ここ数年はこの段階
- NRIについて
- 日本初のAPNプレミアコンサルティングパートナー
- ビジネスモデル = 金融サービスからDXのレイヤへ転換してきている
- DX専門の部署、グループ会社がある
最新事例
- ヤマハ発動機様
- POSシステムをサーバーレス・クラウドネイティブで構築、3ヶ月
- ビジネス環境の変化と課題
- 9割がグローバル、特にアジア圏
- 在庫管理に問題
- 在庫販売であるため、実際に売れたものと需要がずれている
- 需要予測精度の向上が必須
- 仮説の設定
- 接客・販売時に得られた情報をタイムリーに処理すれば?
- 開発期間 3ヶ月
- ウォーターフォールで開発は期間的に不可能 -> アジャイル + クラウドネイティブで
- GraphQLを中心としたフルクラウドネイティブ構成
- サーバーレスどころかほとんどコードレスになった
- AWS AppSync
- RESTに比べて仕様が明確になる
- 学習コストが低い
- スキーマ管理ツールの普及
- 仕様 = スキーマ
- 開発速度が圧倒的
- 経験的には(RESTに比べて)半分以下
- 構成
- AWS Amplify
- 分析はKibana
- 利用者ログ = Amazon Pinpoint
- アジアのネットの遅さに対応
- 画像最適化 = Lambda
- Web最適化 = Fargate
- CloudFront
- データストア = DynamoDB
- コンテンツストア = S3
- ユーザ認証 = Cognito
- 運用構成
- DevOps
- Codeシリーズ中心、CI/CD
- GitLab
クラウドネイティブはDXを加速する
- クラウドネイティブはDXを加速する
- 作って運用するSIビジネスの転換期
- ITシステムの2025問題の解決
- レガシーシステムや運用よりも新しい価値の創造に投資
- -> DXの推進はクラウドネイティブが必須
- 何処に投資するのか、その価値があるのか
- AI
- エッジ
- コンテナ
- これらを含めたクラウドネイティブ
- アジアを中心に起こっていること
- スマフォの普及
- 貧しく不便だからこそスマフォとAIを使ったサービスが次々に誕生「貧Tech」
- 安い人件費を背景にリアルサービスとの融合が加速
- 通貨や税金の概念を再構成
- 通貨そのものが信用されていない = 新しい仕組みが受け入れられやすい
- チャイナスタンダード
- 「民主化なき発展」は、最新テクノロジーと相性が良い
- 例:シェアサイクル、QRキャッシュレス決済、個人の信用与信レーティング、国民の監視・格付け
- 「民主化なき発展」は、最新テクノロジーと相性が良い
- AIの定義
- 正しいAIの定義
- 一般的には、人間の仕事の代わりにやってくれる便利なサービス
- IT・クラウドの世界では「ディープラーニング」「ML」で作成したモデルを利用したシステムの総称
- 疑わしいAIのはん濫
- バズワード化
- 「AIが」といいつつ実はDB全文検索やロジック、人力
- 中身が分からないAIの利用は危険、AIにも説明責任がある
- 正しいAIの定義
- 世界のAI利用に関する動向
- 民主主義圏はプライバシーとのバランスを重視
- 共産圏はスピードと利便性を重視
- テクノロジーと権利の天秤
- NRIのAIプラットフォーム
- クラウドをベースにした新しいAIカメラソリューション
- AWS + Acer + NRI
- NRI AI Camera
- フルスタックの IoT・AIソリューション
- クラウドネイティブ
- AWSサービスとのエコシステム
- エッジAI
- デバイスで処理、プライバシーの制御
- 高価なエッジデバイスは不要
- 分析機能
- リテール、オフィス・工場、公共施設
Amazon SageMaker Neo
- Amazon SageMaker Neo(2 倍の速度で機械学習モデルを実行)| AWS
- AWSシニアサイエンティストによるSageMaker Neoの説明
- Yida Wang
- Sr. Scientist, AWS
- DeepLearningフレームワーク
- MLモデルを一度トレーニングすれば、クラウドやエッジのどこでも実行可能
- 精度を低下させることなく2倍の実行速度
- 小さなメモリフットプリント
- 幅広いハードウェア
- MXNet、TensorFlowも対応
- エッジデバイスへのアプローチ
- 特にコンピュータビジョン特有の演算を最適化
NRIによる取り組み
- NRIによる取り組み
- いちはやくSageMaker NeoとMXNet/GluonCVで開発を実施
- エッジで顔認識、オブジェクト認識、動作認識
- AIサービス導入のポイント
- 確認すべき事
- 得られるメリットが説明されているか
- データの取り扱いや責任範囲が明確化
- データの保存期間や取得
- 法制度
- 確認すべき事
- 世界では法制度、プライバシーなどのAIの活用に課題は多い
- SageMakerを使うことで複雑な問題を解決
- プライバシーに関する政府ガイドラインに準拠
- 所有権、利用権、取得範囲の開示
- ロックインなし
- 安心して使えるエンタープライズレベルのAI
- システム構成もオープン
- フルスタックAWSで実現
- Kinesis Video Stream の APIも搭載
- AIカメラの実証実験を開始
- エッジAIを使った業種別ソリューションを開発
- 業種別ソリューションを開発
- NRI福岡オフィス
- 先進技術・グローバルプロジェクトを推進中
- 技術に自信のある即戦力を募集中
- 関東・関西・札幌でも通年採用
- AWSでDXやるならNRI
所感
AI、というより機械学習・深層学習は一見万能の問題解決装置にみえるため、確かに便利に使われてしまっている印象があります。「機械が独自に獲得した学習結果は人間に理解できない」のような話も吹聴されているのでなおさらでしょうか。野村総研様のセッションではそこを問題と捉え、オープンかつ「ちゃんと(AIであることに)責任を持つ・説明できる」ものを提供するという宣言のようにも思えました。